丸菱さんの展示会にて
今年も7月2日(火)から4日(木)にかけて、熊本県益城町「グランメッセ熊本」で開催された【丸菱 食品機械と原材料総合展】に行って参りました。今年も例年通り(?)の大雨に見舞われましたが、来場者に影響があったようにも見えない盛況ぶりでした。



今年の「パン・ド・ロデヴ普及委員会」のブースでは明石克彦さんが、秋元英樹さん(コシュカ)、相良一公さん(シェ・サガラ)のサポートを得て仕込みから焼成を行いました。PR担当は、今回も事務局の松成容子と塚本有紀です。隣のドイツ人のパン屋さんMax Kugelさんのブースを借りて、仕込みから焼成が行われました。


明石さんはプレーンのロデヴのほかに、ドライフルーツ入りを焼かれました。またオリーヴ・ド・リュック社提供の南仏のオリーヴ入りのロデヴもジューシーで大人気でした。
試食はロデヴのプレーンも、フリュイも、飛ぶように出ていってしまいます。丸菱さん提供のチーズ「益城」(九州産の牛乳を使用)やハムを使ったオープンサンド、松成作の味噌漬けにした「益城」と「クマンベール」も登場。試食には次から次へと手が伸び、こちらはお昼を食べる暇もありません。


試食のため何気なく切ったロデヴの断面に、きゃーと叫ぶ若いブーランジェールは「今までの人生で見た中で、一番すごい内相です」と興奮気味。また「これまで何度かロデヴを食べてきたけれど、今日初めておいしいと思いました」という、びっくりするような感想も聞けました。レストランでパンを提供しているが、いつかは挑戦してみたいとおっしゃる料理人の方には、9月の福岡での明石さんの講習会のご案内をしました。
去年よりもいっそうロデヴを知っている人は多く、「店で焼いている」や、「挑戦したい」と思っているパンの作り手が増えたように感じました。
地震から3年後の益城町
今年は、益城町の役場を訪問しました。もともと役場のあった場所は今は更地になっていて、少し離れたところにプレハブの大きな仮庁舎が建っています。

役場前面の壁には、神戸のNPOが企画し地元の小学生と神戸の大学院の減災復興政策学科が作成した「くまモンネットアート」が飾られ、町民を迎えていました。黒い布地をカットしてホチキスでネットに留め、モザイク模様でくまモンを表しています。テーマである「感謝」の気持ちを込めて、ハートの絵が入っています。

危機管理課にお邪魔して、少しだけ話しを聞きました。もとの役場は大きな被害を受け、修繕すると50億かかるため断念。解体して更地になり、22年度の再建を目指しているそうです。ほかにも町の施設だけで58のうち48が被災。道路や橋、公園、水道、農地なども甚大な被害を受けています。一般の住宅は1万棟が被害を受け、関連死を含め45名の方が亡くなっているそうです。現在人口は被災前の1500人減の33000人ほどですが、実際のところは住民票だけ残し、別の場所に住んでいる方も多数いるかもしれないとのこと。
庁舎だけでなく、町内には当然プレハブの仮設住宅が見受けられ、現在でもまだ1250戸(みなし仮設も含む)に人が暮らし、40%超の住宅が未再建のまま。これにはまだ地面の区画整理が進まず、従って住宅の再建に手が付けられないという事情もあるとのこと。災害公営住宅の整備も現在進んでいます。
車を走らせ眺める風景は着々と復興が進んでいるように見受けられたので、役場の担当者にどのくらい復興したのか聞いてみました。
「復旧さえ終わっていない箇所がまだありますから、復興はまだまだです」
の言葉に、はっとさせられました。復旧と復興が別のものを指すことに気づかされ、外からみた復興と内側にいる方々の実感には大きなへだたりがあることを感じました。資料によると道路や河川、農業用地、水道など、災害復旧事業は8割未満の完了率で、耐震化やがけ崩れ対策など復興事業はまだ5%ほどしか終わっていないようです。
「なんでもない毎日が宝もの」
資料の最後に書かれているワンフレーズは、今は普通に機能する町に住んでいる私達にもあてはまる言葉。当たり前の毎日を再び築き上げるために取り組む人々のことに思いをはせる一日でした。
(報告 塚本有紀)
阿蘇大橋の今
2020年度に完成予定の阿蘇大橋が、以前の所とはすこし場所を変えて架かろうとしています。
ここまで伸びてきたので、もう少し。これがつながると、車での他県への行き来がスムーズになるため大幅に交通量が増え、南阿蘇方面の観光客ももどってくると期待されています。
復興はそれから。加速度がつきますように。
(報告 松成容子)